[行政書士よどがわ事務所][相続相談室]
遺言書の作成を相談する場合、ご本人の財産情報も把握するため、様々な知られたくない
情報を相手に伝える必要があります。
遺言書作成の遠隔地対応のメリットとしては、近所で顔を合わせる可能性のない
専門家の方が気楽に相談できることにあります。
もちろん、行政書士などの専門家は厳格な守秘義務が課されております。
ですが、感情的な面では、顔を合わせない専門家の方が気楽に話せる場合もあると思います。
また、遺言書作成に関する相談を電話・メールのみでのご相談にした場合、ご依頼者様の
負担を軽減することが可能です。
事務所を訪問する際の交通費や訪問ための時間を省くことができるからです。
弊所への業務依頼の流れは以下の手順となります。
1、お電話・メール・FAXでのお問い合わせ
この時点でお問い合わせ内容の事実関係を把握して必要な手続きや費用のお見積をさせていただきます。
2、見積額の提示
初回のお問い合わせで弊所の業務受任範囲とそれに対する見積額を提示します。
もちろん、ご依頼内容によってはその時点で明確なお見積額を提示できない場合があります。
その場合も○円〜○円という上限と下限を設けた形でお見積額を提示させていただきます。
3、費用等のお振込
弊所の提示した見積額に納得がいきましたら費用の支払いを銀行振り込みにて行っていただきます。
4、業務の着手
お振込が確認できましたら弊所が受任業務に着手します。
これ以後の必要書類や情報の授受もFAX、メール、電話、郵送にて行います。
北海道や沖縄その他日本全国のどこの地域にお住まいの方であっても対応は可能です。
安心してご依頼ください。
尚、ご希望がありましたら事務所での対面方式にてご相談を行うことも可能です。
また、別途日当・費用等をお支払いいただければ全国どこにでも
訪問させていただくことも可能です。
遺言書作成について
遺言書といえば、一般の方は何か恐ろしいものと感じる方もいるかもしれません。
ですが、近年では遺族の方が遺産について争う場合が増加しており、
作成する方が増えているのが現状です。
たとえば、両親がいる間は仲のよい兄弟であってもこの不景気ではやはり両親の遺産をなるべく多く
もらいたいと思うのも不自然ではありません。
また、たとえ兄弟間に遺産の帰属について争う意思がなくても、兄弟の妻などの
口出しなどによってもめることもあり得ます。
特にいったん遺産の帰属についてもめた兄弟間においては仮に遺産分割で最終的に双方が納得した
としても両者の関係が回復困難なほどに悪化していることも多々あります。
このような事態を回避するために遺言書で遺産の帰属を明確に決めることによって後の無用な
争いを避けることができます。
弊所でも遺言書に関する相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
遺言書に関するお問い合わせ先 06−6326−4970
◆遺言書の作成が望ましい事例
�@妻と子供がいるが、法律上相続する権利をもたない世話になった人等に財産をあげたい場合
→この事例の場合、何もしなければ世話になった人に遺産を与えることができないため。
�A妻と子供2人がいるが、事業承継などのため子供の一人に財産を集中させたい場合
→この事例の場合、生前に合意があっても死後に他の子供が権利主張する可能性があるため。
�B妻がいるものの子供がなく、妻に全財産を帰属させたい場合
→この事例の場合、妻以外に夫の両親や兄弟が相続人として権利主張する可能性があるため。
�C相続人となりうる推定相続人間の仲が現段階においても悪い場合
→この事例の場合、遺産の帰属についてももめる可能性があるため。
�D相続人となる身寄りの方が誰もいない場合
→この場合、特別縁故者と認められる者がいない限り遺産は国庫に帰属するため。
�Eその他
→遺言書が必要となる場合は今回例にあげた以外にも様々な場合があります。
◆遺言書の種類
一般の方が主に利用する可能性がある遺言書の種類としては以下のものがあげられます。
�@自筆証書遺言
�A公正証書遺言
�B秘密証書遺言
上記のうち�Aと�Bは公証人が関与する点で費用がかかりますが、�@は公証人の関与がないので
費用はかかりません。
しかしながら、�@の場合は、公証人が関与していない点で遺言の形式に不備があったりなどの
理由で遺言自体が無効となる可能性もあります。
(�Bについても公証人が中身レベルに関与してないため同様に無効となる可能性があります。)
弊所でも自筆証書遺言を含めて遺言書に関する相談を承っております。お気軽にご相談ください。
尚、�@に関する遺言につきましては、現在、法務局の保管申請が可能となっております。
保管申請には下記の手数料がかかりますが、検認が不要になるなどのメリットもあります。
保管申請は、遺言者本人が法務局に出頭して行う必要があり、代理人による申請はできません。
弊所による相談・文案作成支援と、遺言者本人が行う保管申請とは異なります。
法務局では方式の外形的な確認を行いますが、遺言の内容に関する相談や、有効性の保証をする制度ではありません。
| 申請・請求の種別 | 申請・請求者 | 手数料(法務局) |
| 遺言書の保管の申請 | 遺言者 | 一件につき 3900円 |
| 遺言書の閲覧の請求(モニター) | 遺言者・関係相続人等 | 一回につき 1400円 |
| 遺言書の閲覧の請求(原本) | 遺言者・関係相続人等 | 一回につき 1700円 |
| 遺言書情報証明書の交付請求 | 関係相続人等 | 一通につき 1400円 |
| 遺言書保管事実証明書の交付請求 | 関係相続人等 | 一通につき 800円 |
| 申請書等・撤回書等の閲覧の請求 | 遺言者・関係相続人等 | 一の申請に関する申請 書等又は一の撤回に関 する撤回書等につき 1700円 |
◆自筆証書遺言作成の注意点
1、自分ひとりで作成する場合には方式に違反がないかきっちりと確認しましょう。
2、自筆証書遺言は、本文・日付・氏名を遺言者本人が自書し、押印する必要があります。
ただし、別紙として添付する財産目録は、パソコンで作成したものや、預貯金通帳・登記事項証明書のコピーなどを利用することもできます。
この場合、自書によらない記載がある全てのページに署名押印が必要です。両面に記載がある場合は、その両面に署名押印が必要です。
3、自筆証書遺言は存在を誰にも知らせてなければ発見されないまま終わる可能性もあります。
4、自筆証書遺言は、原則として作成者の死亡後に家庭裁判所の検認の手続きが必要です。
ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている遺言書については、検認は不要です。
5、遺言の作成日は明確に記入する必要があります。
6、自筆証書遺言の滅失や改ざんに注意しましょう。
7、書き間違えの際の訂正を修正液でするのはやめましょう。
8、当事者の名前や身分はなるべく明確に。
9、与える財産もなるべく明確にするとともに全ての財産をもれなく記載しましょう
→残りの財産についてはA子が全て相続する等の記載をつけるなどの工夫もしましょう。
10、押印は認印でも可能ですが、本人が作成したことを明確にするため、実印の使用も検討しましょう。
11、遺言者は生存中に何度でも遺言の書き換えが可能です。
12、預貯金は残高が変動するため、特定の口座を指定する方法や割合で配分する方法など、希望に合った記載を検討しましょう。
13、自分よりも先に死亡する推定相続人がいる可能性も考慮した記載をしましょう。
→A子が死亡している場合はB子へ。
14、相続税の問題も考慮しましょう。
15、遺留分にも注意しましょう。
→遺留分については遺留分侵害額請求をご参照ください。
◆公正証書遺言について
1、公正証書遺言のメリット
公正証書遺言とは、遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口授して、それに基づいて公証人が
正確に文章にまとめた遺言のことをいいます。
公正証書遺言は、公証人が作成に関与するため、方式の不備により無効となるリスクを低くすることができます。
ただし、遺言者の遺言能力などをめぐって、有効性が争われることはあります。
遺言書の原本が公証役場に保管される点で遺言書の改ざんや隠匿の恐れもありません。
公正証書遺言は死亡時に遺言書の家庭裁判所による検認が不要ですので、
後の相続手続きもスムーズになります。
また、自筆証書遺言の場合は自筆する体力がない方は遺言書が作成できませんが、公正証書遺言の
場合は口授したものを公証人が文章にまとめるので自筆することができない方でも遺言書を作成すること
が可能となります。
2、公正証書遺言のデメリット
公正証書遺言には先にあげたようなメリットがあるのですが、費用や手間がかかったり、
公証人と証人2名に遺言の内容が知られてしまう点でデメリットがあります。
しかしながら、費用面については将来の相続手続きがスムーズにいく点を考えれば必ずしも高いとは
いえません。
また、遺言の内容がもれるという点についても証人を秘密保持義務を負う弁護士、行政書士、
司法書士等とすることによって一定の秘密保持を図ることも可能です。
弊所でも公正証書遺言に関するご相談も受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
3、主に公正証書遺言作成に必要となるもの
�@ 遺言者本人の印鑑証明書・身分証明書
�A 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
�B 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、遺贈を受ける方の住民票
�C 遺産に不動産が含まれる場合には、登記簿謄本及び固定資産の評価証明など。
�D 証人2名(未成年者、推定相続人・受遺者等は証人になれません。)
※必要書類は本人確認の方法や事案により異なりますので、事前に公証役場へ確認してください。
4、公正証書のデジタル化について
令和7年10月1日から、公正証書の作成手続のデジタル化が始まっており、指定公証人が
作成する公正証書は、原則として電子データで作成・保存されます。
また、公証人が相当と認めるなど一定の条件を満たす場合には、
ウェブ会議による作成が可能な場合もあります。
遺言者本人の意思確認が必要であり、代理人だけで作成することはできません。
具体的な対応は事前に公証役場への確認が必要です。
◆秘密証書遺言について
1、秘密証書遺言のメリット
秘密証書遺言とは遺言書の中身を秘密にしつつ、公証人等によって遺言書が存在することを明確に
するために作成する遺言書をいいます。
秘密証書遺言は自らが遺言書を作成して封印して誰にも中身を見せない点で遺言内容の秘密が
たもてるとともに、公証人等を関与させる点で遺言書の存在を明確にできるメリットがあります。
また、自筆証書遺言と異なり、署名以外の本文は自筆する必要がないというメリットもあります。
2、秘密証書遺言のデメリット
秘密証書遺言は公証人や証人2名を関与させる点で自筆証書遺言と比べて費用がかかります。
公証人は封紙への記載などの手続には関与しますが、封筒の中の遺言書の内容までは確認しません。
そのため、遺言書自体に不備があり、無効となる可能性があります。
相続が発生した際には、家庭裁判所の検認も必要となります。
◆遺言書に関するよくある質問について
※遺言書は何歳から作成できますか?
遺言は、法律上15歳以上であれば作成することができます。
未成年者であっても法定代理人の同意は不要であり、本人が単独で行います。
ただし、遺言の内容を理解して判断できる能力が必要です。
また、代理人によって遺言をすることはできません。
(遺言能力)
民法第961条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
※夫婦共同で一枚の遺言書を作成することはできますか?
民法上、同一の証書で遺言することは禁止されています。そのような遺言書を
作成しても法律上無効となります。
共同遺言を認めてしまうと各遺言者が遺言の撤回や変更が難しくなったり、
遺言者の遺言の自由を制限するおそれが生じるからです。
尚、同一証書に2人以上の遺言が記載されている場合に、そのうち1方に氏名の
自署がないなどの方式違反による無効事由がある場合でも、違反のない他方も
判例上は共同遺言として無効になるとされています。
また、作成名義の異なる2つの遺言書が別に記載され、契印の上で合綴されている
自筆証書遺言でも容易に切り離すことができる場合には、共同遺言にはあたらないと
した裁判例もあります。
(共同遺言の禁止)
民法第975条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
※遺言書の検認って何ですか?
遺言書の検認とは、相続人に対して遺言の存在とその内容を知らせるとともに、
遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など検認の日現在の遺言書の内容を
調査確認し、後日の偽造・変造を防止するための手続をいいます。
自宅などで保管されていた自筆証書遺言や秘密証書遺言については、原則として検認が必要です。
公正証書遺言及び法務局の保管制度を利用して保管されている自筆証書遺言については、検認は不要です。
検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではなく、検認を受けても遺言の有効性が保証されるわけではありません。
遺言書の検認について詳しくは「遺言書の検認」をご確認ください。
(遺言書の検認)
民法第1004条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を
請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
※遺言書の押印は認印でもいいですか?
民法上、遺言書の押印は何を使用するのかは指定されておりません。
基本的に認印であっても問題ありません。
また、裁判上では拇印であっても有効とされています。
しかしながら、押印は遺言が遺言者本人が行ったことを確認するために行うものです。
認印や拇印の場合は、後になって本人が作成したものでないとトラブルに
巻き込まれる恐れがあります。
ですので、基本的に遺言書の押印は実印で押印した方が無難だといえます。
(自筆証書遺言)
民法第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、
日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産
(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の
全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、
自書することを要しない。
この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある
場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
※遺言書の訂正の仕方を教えてください
遺言書の訂正は変造や偽造防止のため民法によって厳格な手続きが定められてます。
具体的には、
�@遺言書の余白に間違った箇所を指示し
�A間違った箇所を二重線などで見える形で消し
�B余白に変更した旨(削除・追加した文字数など)を付記して署名し
�C変更した箇所に押印をします。
このように訂正方法は少しややこしいです。
遺言書に誤りや変更があった際にはめんどくさがらずに新たに
遺言書を作成し直した方が無難だといえます。
(自筆証書遺言)
民法第968条第3項(第1項・第2項省略)
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、
これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、
その効力を生じない。
※遺言書が複数ある場合どれが優先されますか?
何度も書き直しなどをする方の場合には結果的に遺言書が複数あることがあります。
このような場合は、後の遺言と内容が抵触する部分について、
前の遺言が撤回されたものとみなされます。
抵触しない部分は、前の遺言も効力を有することがあります。
ただし、後の遺言で前の遺言全部を撤回している場合などは別です。
公正証書遺言と自筆証書遺言との間に、方式による優劣はありません。
後に有効に作成した自筆証書遺言によって、前の公正証書遺言を撤回することもできます。
同じ日付の遺言が複数ある場合は、作成の前後や遺言者の意思を
内容・作成経緯などから検討する必要があります。
矛盾する内容がある場合の効力は、個別の事情によって判断されます。
なお、後の遺言も、法律上の方式や遺言能力などの要件を満たした有効なものである必要があります。
例えば、本文をパソコンで作成したために自筆証書遺言としての方式を満たさないものが、
日付が新しいというだけで優先されるわけではありません。
(前の遺言と後の遺言との抵触等)
民法第1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、
後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する
場合について準用する。
※遺言書では何ができますか?
遺言書で法的に効力が認められている事項としては以下のものがあります。
�@認知
(認知の方式)
民法第781条第2項(第1項省略)
2 認知は、遺言によっても、することができる。
�A未成年後見人、未成年後見監督人の指定
(未成年後見人の指定)
民法第839条 未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。
ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2 親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
(未成年後見監督人の指定)
民法第848条 未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
�B推定相続人の廃除・取消し
(遺言による推定相続人の廃除)
民法第893条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、
その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。
この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
(推定相続人の廃除の取消し)
民法第894条 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。
�C祭祀の承継者の指定
(祭祀に関する権利の承継)
民法第897条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、
慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、
同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
�D相続分の指定
(遺言による相続分の指定)
民法第902条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、
又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、
他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。
�E特別受益の持ち戻しの免除
(特別受益者の相続分)
民法第903条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の
資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の
価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した
相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、
受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又は
その敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を
適用しない旨の意思を表示したものと推定する。
�F遺産分割方法の指定及び遺産分割の禁止
(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
民法第908条第1項(第2項以下省略)
被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、
又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
�G相続人相互の担保責任の指定
(共同相続人間の担保責任)
民法第911条 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。
(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
民法第912条 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、
その分割の時における債務者の資力を担保する。
2 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、
弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。
(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
民法第913条 担保の責任を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、
その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、
それぞれその相続分に応じて分担する。
ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。
(遺言による担保責任の定め)
民法第914条 前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。
�H遺贈・慈善団体等への寄付行為
(包括遺贈及び特定遺贈)
民法第964条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
【補足】遺留分を侵害する場合には、遺留分侵害額請求の対象となることがあります。
�I遺言執行者の指定または指定の委託
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他必要な行為を行います。
遺言の内容に応じ、不動産登記や預貯金の払戻し・解約などに関する権限が認められます。
遺言執行者を指定しておくことで、相続開始後の手続を進めやすくなる場合があります。
(遺言執行者の指定)
民法第1006条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。
�J遺留分侵害額の負担割合等の指定
令和元年7月1日以降に開始した相続では、遺留分の侵害は、原則として金銭の支払請求によって処理されます。
複数の受遺者がいる場合などの負担については、民法第1047条に定めがあり、
同条第1項第2号ただし書により、遺言で別段の意思を表示することができます。
ただし、これによって遺留分権利者の請求権そのものをなくすことができるわけではありません。
�K信託の設定
(信託の方法)
信託法第3条(第1号・第3号省略)
信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が
一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を
すべき旨の遺言をする方法
�L生命保険金受取人の変更
(遺言による保険金受取人の変更)
保険法第44条 保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2 遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を
保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。
�M配偶者居住権の遺贈
一定の要件を満たす場合、遺言によって、配偶者に自宅の配偶者居住権を遺贈することができます。
例えば、自宅の所有権は子に取得させ、配偶者には住み続ける権利を取得させる方法があります。
相続開始時に配偶者がその建物に居住していることなどの要件があり、遺言者が配偶者以外の者と
建物を共有していた場合には認められません(民法第1028条)。
※遺言書があれば、不動産の相続登記は不要ですか?
遺言書があっても、不動産の名義が自動的に書き換わるわけではありません。
令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されており、遺言による相続や相続人に対する
遺贈で不動産を取得した場合も対象となります。
原則として、自己のために相続が開始したことと、その不動産の所有権を取得したことを
知った日から3年以内に申請が必要です。
また、法定相続分を超える取得について第三者に対抗するためにも、速やかな登記が大切です。
※遺言書の付言事項ってなんですか?
付言事項とは遺言としての法的効力が認められないものの、遺言者の希望や気持ちを書くようなものといいます。
例えば、全財産を特定の相続人にあげる遺言を書いた場合に、
他の相続人に遺留分の請求をしないでほしいというお願いを書いたり、
相続人間でもめるのはやめてほしい
などということを書くような場合をいいます。
また、相続以外の問題でも、自分の葬儀や墓をどうしてほしいとかいったことも書くことがあります。
付言事項はあくまで法的な拘束力はありませんので、それを実行するかどうかは各相続人の自由ですが、
書くことによって実際に将来の紛争等が防止される場合もありますので、遺言書でしっかりと
自分の気持ちを伝えることには一定の意味があるかもしれません。
※遺言書の日付はどの程度明確である必要がありますか?
遺言書を作成する場合、日付の記載がない場合は原則として無効となります。
ただ、あくまでいつ書いたのかが分かればよいので必ずしもはっきりした日付を書いて
ないからとって全てが無効となるわけではありません。
例えば、年年何月吉日は暦上の特定の日を示しているわけではないので無効です。
これに対して、娘○○の22歳の誕生日や平成22年の体育の日といった記載は
日付が特定されているので有効となります。
基本的にはいつのどの時点で書いたのかが分かるような記載であれば、平成○年○月○日
といったはっきりした日付の記載でなくても有効となる可能性があります。
※遺言書の作成を専門家に相談するメリットはなんですか?
遺言書作成を専門家に依頼するメリットとしては、
�@遺言書の形式的不備による無効を回避できること
�A遺言書の実質的な不都合を回避できること
�B遺言意思に関する争いの可能性を軽減できること
があげられます。
上記�@と�Aについてはあくまで作成する遺言書の内容の問題なので
作成者の能力や財産状況等によっては専門家に頼まなくても十分な
ものが作れる可能性があります。
しかしながら、�Bについては事後的に親族から遺言書を作成できる能力はなかったのではないかとか、
そもそも遺言書は偽造によるものであると主張されることがあります。
そのような場合、専門家が関与している方がそういった疑惑を軽減できる場合があります。
ですので、専門家の関与しない自筆証書遺言は手軽にかけますが、そういったことを踏まえた上で
依頼されるかどうかを検討することが重要だといえます。
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