離婚による所有権移転登記について
◆財産分与とは?
財産分与とは簡単にいえば、離婚に際して婚姻中に築き上げた夫婦財産を精算することをいいます。
例えば、AB夫妻のうち、Aさんのみが働いていて1億円の夫婦財産を築き上げていた場合も、1億円全てが
Aさんの手柄というわけではなく、Bさんの家事労働や節約術なども1億円の財産の形成に寄与していると
いえる場合があります。
そのような2人で築き上げた財産を離婚の際に分けることを財産分与といいます。
ちなみに、離婚の際に夫が浮気したから1億円請求するというのは財産分与ではなく、慰謝料となります。
財産分与は慰謝料とは別個のあくまで夫婦財産の精算なので仮に妻が浮気をしていたとしても妻にも
財産分与を受ける権利はあります。
◆離婚に伴う財産分与による所有権移転登記(不動産所有者の名義変更)について
離婚に伴う財産分与による所有権移転登記とは土地や建物を離婚に伴う財産分与によって
譲り受けた場合になす所有権移転登記のことをいいます。
不動産の譲受けは対抗要件のため仮にAさんからBさんが土地の分与を受けたとしても未登記の
ままで放置していると後にAさんがその事実を何も知らないCさんに同一の土地を贈与して登記を
移転させてしまえば、BさんはCさんに土地所有権を取得できなくなります(民法177条)。
このように不動産の譲受けがなされた場合は、登記が権利保全にとって重要な意義を有しますので、
財産分与を受けた方は権利保全のために所有権移転登記をなすことが肝要だといえます。
弊所でも財産分与による所有権移転登記のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
◆離婚に伴う財産分与による所有権移転登記(不動産所有者の名義変更)に必要な書類
1、登記原因証明情報(財産分与契約書等)
2、登記済証もしくは登記識別情報
3、財産分与をした人の発行から3カ月以内の印鑑証明書
4、財産分与を受けた方の住民票
5、固定資産評価証明書等の不動産の評価額を確認できる資料
6、財産分与をする方と財産分与を受けた方の委任状
7、運転免許証、マイナンバーカード等の本人確認書類
このほか、離婚の成立や氏名・住所の変更を確認するため、戸籍謄本、住民票、戸籍の附票等が
必要になる場合があります。
調停・審判・判決によって財産分与を行う場合は、必要書類や申請方法が異なります。
また、登記済証や登記識別情報を紛失している場合もご相談ください。
◆財産分与による所有権移転登記に必要な費用(登録免許税の算定基準は令和8年4月1日現在)
財産分与に必要な費用は弊所へご依頼される場合は、登録免許税等と弊所への報酬の合計となります。
ちなみに、登録免許税は国に登記の際に納める税のことで不動産評価額×1000分の20(2%)となっております。
共有持分の移転の場合は、移転する持分に相当する評価額を基に計算します。
また、登記上の氏名・住所の変更や抵当権の抹消等が必要な場合は、別途費用がかかります。
その他財産分与登記にかかる具体的な費用の総額につきましては事案や不動産評価額に
よって異なりますので、お気軽にお問い合わせください。
◆その他財産分与による所有権移転登記(不動産所有者の名義変更)にかかる登記以外の費用
財産分与による不動産の取得には登記にかかる費用以外に一般に以下のものがかかる可能性があります。
(詳しくは税務署等にお問い合わせください。)
1、不動産取得税←夫婦財産の精算の範囲といえる場合はかかりません。
2、贈与税 ←夫婦財産の精算の範囲といえる場合はかかりません。
3、不動産譲渡所得税←財産分与する側に原則としてかかります。
4、印鑑証明書等各種必要書類取得費用
※「1」乃至「3」については、算定方法や控除特例等様々な事情を加味する必要がありますので、
詳しくは税務署等にお問い合わせください。
◆離婚に伴う財産分与による所有権移転登記を弊所にご依頼の際に必要となる書類
ご相談の際は、不動産の所在地や名義が分かる資料、固定資産税の納税通知書、財産分与についての
合意書等も含め関連するものは全てお持ちください。
また、住宅ローンが残っている場合は、借入先やローン残高、債務者・連帯保証人等が分かる
資料もお持ちください。
必要書類がすべてそろっていない場合やどの書類が必要か分からない場合でもご相談いただけます。
また、弊所で取得できる書類について取得の代行も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
◆住宅ローンが残っている不動産を財産分与する場合の注意点
財産分与時に住宅ローンが残っている場合には、不動産の名義変更と住宅ローンの
取扱いを分けて確認する必要があります。
不動産の名義を変更しても、住宅ローンの債務者や連帯保証人が当然に変更されるわけではありません。
夫婦間で「今後は相手方が返済する」と約束しても、それだけで金融機関に対する
返済義務や責任がなくなるものではありません。
また、借入先の承諾を得ずに不動産の名義を変更すると、ローン契約上の問題が生じ、
一括返済を求められる場合もあります。
元配偶者が住宅ローンを返済し、自分がその住宅に住み続けるという取決めをした場合でも、
返済が滞れば、抵当権が実行されて住宅を失うこともあります。
住宅ローンが残っている不動産については、財産分与の内容を決める前に、
借入先の金融機関へご相談することをお勧めします。
◆離婚に伴う財産分与による所有権移転登記をするにあたっての注意点
離婚に伴う財産分与による所有権移転登記は離婚の日付以後にする必要があります。
また、離婚が成立すると婚姻によって氏を変更した方は印鑑登録も抹消されることになりますので、
印鑑証明書を取得するためには改めて印鑑登録する必要がありますので注意が必要です。
財産分与を原因とする所有権移転登記は、離婚が成立した後に行う必要があります。
ただし、離婚前でも、財産分与の内容についての相談や、登記に向けた準備は可能です。
また、離婚や転居に伴い、不動産を分与する方の氏名・住所が登記上の記載と異なる場合には、
所有権移転登記の前提として、氏名・住所の変更登記が必要になることがあります。
また、離婚によって氏が変わる場合や市区町村外へ転居する場合には、印鑑登録が抹消され、
改めて登録が必要になることがあります。
登録している印鑑や離婚後の氏、転居の有無等によって取扱いが異なりますので、
市区町村へご確認ください。
なお、離婚協議書や公正証書を作成しても、それだけでは不十分で
別途、法務局での所有権移転登記の手続きが必要です。
◆財産分与の請求期間について 財産分与について
話合いがまとまらない場合や、話合いができない場合には、家庭裁判所に財産分与の
調停・審判を申し立てることができます。
令和8年4月1日施行の法改正(民法768条2項但書)により、家庭裁判所への申立期間は、
離婚日によって次のとおり異なります。
1、令和8年4月1日以降に離婚した場合 離婚した日の翌日から起算して5年を経過するまで
2、令和8年3月31日以前に離婚した場合 離婚した日の翌日から起算して2年を経過するまで
この期間は、財産分与について家庭裁判所に申立てをすることができる期間であり、
合意済みの財産分与による所有権移転登記の申請期限を定めたものではありません。
ただし、登記をしないままにしておくと、第三者との権利関係や相手方の死亡等によって
支障がでることがあります。
合意ができた場合には、できるだけお早めに登記を済ませておくことをおすすめします。
司法書士 よどがわ事務所
〒533−0005 大阪市東淀川区瑞光1−3−12 明徳ビル205号
電話番号 06−6326−4970 FAX番号06−6379−3990
Copyright(C)2008-2026 司法書士・行政書士 よどがわ事務所 All Rights Reserved.